今年一年黒いり玄米茶を通してご縁を頂いた方々に感謝いたしますとともに、心より御礼申し上げます。
最近気にかけていることは、日本での糖尿病患者および糖尿病予備軍の数が二千万人を超えたということであります。これは何を意味するかと申せば、ひとえに「食生活のおごり」に起因するものと考えられます。
現代の食生活に対する風潮といいますか、姿勢はつくり手も、販売者も、はたまた消費者も押しなべてただ口先のおいしさにこだわっている気がいたします。
とくにネット社会と言われる昨今、その傾向に拍車が掛かって来たように思われます。
その昔は畳の上に座布団を敷き、正座して両手を合わせてから、いただきますと言って静かに食事をしたものでしたが、実は正座しながら食べることにより、おのずとお腹の具合、すなわち満腹度が手に取るように分かるようになるので、食べ過ぎを防止することが出来たのです。それに今と比べ昔の食卓は、(と言っても私の体験して来たのは戦後間もなくの頃のことではありますが)ご飯に味噌汁、白菜の漬物、それに煮物か魚の焼き物が一品加わると云う程度で至って素朴というか簡素なものでした。
その当時塩は1kg30円か40円くらいで安かったのですが醤油は一桁上の値段で高価だったので漬物や海苔にたっぷり注いだりすると、すかさず「醤油はそんなにかけるものではない!」と親からたしなめられた事を覚えております。
そんな訳でよく噛みしめてご飯を頂くことになるのですが、よく噛んでいるうちにお米の甘味も出て来るし、食べ物が唾液とよく混ざり合って満腹感も生じて来るのです。
現代人はどちらかと言うとよく噛まないで呑み込むため、気が付くと不消化な食べ物で胃がいっぱいになり、知らない内に食べ過ぎになって胃に負担をかけています。
話は変わりますが、昔のみかんは酸っぱ味が勝ったものが普通で、一房に多いものは種が5~6ヶも入っておりわずらわしいものでしたが、それが当たり前でありましたし、りんごなどは少年の両手の中にでもその殆んどが隠れてしまうような大きさでした。りんごもみかんもこの数十年の間ただ糖度を上げることを第一に品種改良されて来た感があります。
また、戦後の食生活の欧米化の波も第三世代を通り越して第四世代の若者に受け継がれ、今や完全に肉食中心の食生活になってしまいました。
その結果若者たちは皆長身で体格も立派になり、とくに女性に於いては肩の張った足長の、いわゆるモデル体型の美人が颯爽と街中を闊歩している姿を見ると、近い将来男性に変わり女性が社会のイニシアチブを取る、そのような時代の到来も宜なる哉と思わないでもありません。
ただ遭遇するその人たちの中に昔のおちょぼ口の控え目な女性がとんと見られなくなったことがいささか寂しく感じられるのは私だけでしょうか。